マロラクティック発酵は行わない。伝統的なのに斬新なシードル 2023年8月3日 by travesia with no comment イサステギ (スペイン・バスク地方) スペイン・バスク地方の名高いイサステギは独特の製法と風味を誇っています。多くの世代に受け継がれてきた製法の中でも、マロラクティック発酵を避けることで、イサステギは他に類を見ない鮮烈な酸味と豊かな風味が生まれます。この地域の自然の恵みと、長きに渡る伝統が融合し、一杯のシードルに深い物語と情熱が込められています。 三世紀の歴史を誇るイサステギ イサステギの歴史は、三世紀にも及びます。初代の創業者から現在の当主に至るまで、代々受け継がれたシードルへの情熱と専門知識は、イサステギが生み出すシードルの独特な風味と高い品質を保証しています。リンゴの収穫からシードルの製造まで、全ては手作業で行われ、それぞれの工程には何世紀にもわたる経験と知識が詰まっています。イサステギのシードルは、一般的なシードルとは一線を画しています。その理由の一つが、酸味が強く独特の風味を持つこと。しかし、これは決して不具合ではなく、むしろバスク地方のシードルの魅力の一部とも言えるのです。 マロラクティック発酵を行わない伝統的な製法 マロラクティック発酵とは? マロラクティック発酵(MLF)は、ワイン製造過程における重要な発酵の一つで、主にワインやシードルなどの酸味を和らげ、風味を増すために行われます。この発酵は、特定の細菌(特にオイノコッカス・オエニ)によって引き起こされ、その結果、酸味の強いリンゴ酸がよりまろやかな乳酸に変換されます。 ワインの場合、マロラクティック発酵は一般的に赤ワインで見られ、ワインに円みと複雑さをもたらします。白ワインではこの発酵が制御されることが多いですが、シャルドネなどの一部の種類では行われることがあります。 同様に、シードルの製造でも、マロラクティック発酵は重要な工程となります。この発酵により、シードルはその特徴的な酸味を和らげ、フルーティーで複雑な風味を引き立てることができます。 なぜ、イサステギ・シードルは味をまろやかにするマロラクティック発酵を行わないの? バスク地方の伝統的なシードル製造法は、リンゴの自然な発酵を利用します。この製法は、極めてシンプルな工程で、特別な添加物を使わず、リンゴそのものの風味を生かしたシードルを生み出します。自然発酵という手法は、リンゴ果汁に存在する天然の酵母が発酵を促進し、シードルを生成します。 バスク地方のシードルは、その鮮烈な酸味が特徴で、これはマロラクティック発酵(MLF)を積極的に避けることで実現されています。MLFは酸味を和らげ、全体的な風味をまろやかにする反面、リンゴの生々しい風味やシャープな酸味が減少することがあります。バスクのシードル製造者たちは、この地域のシードルの特性である酸味の強さと独特の風味を損なわないために、マロラクティック発酵を避けています。 イサステギ・シードルの強い酸味には理由がある マロラクティック発酵を行わずリンゴ酸を残すと、リンゴ酸の持つ健康効果も享受できます。例えば、リンゴ酸は食欲を引き立てて食事の消化をサポートしてくれます。また、その高い抗酸化力で細胞を若々しく保ち、疲労を回復する効果も期待できます。さらに、リンゴ酸には食事をエネルギーに変えるクエン酸回路を活性化する働きもあるんです。このようにしてみていくと、リンゴ酸を意識的に取り入れることで、わたしたちの健康に驚くほど多くのメリットが期待できることが分かります。イサステギ・シードルは飲むたびに、その風味が舌を刺激し、わたしたちの体を元気にしてくれるバスクのリンゴの恵みです。 美味しさを最大限に引き出す:イサステギの特製コルクとエスカンシアールの秘密 独特な味わい、個性的なイサステギのシードルを飲む際には、バスク地方の伝統であるユニークな注ぎ方、エスカンシアールが使われます。ここで、特製のコルクの役割が生きてきます。エスカンシアールとは、高い位置からシードルをグラスに注ぐ特別な技法です。要するに、少しドラマチックなシャンパンのように上からグラスに注ぐんですね。これにより、シードルはコルクを通過し空気と触れ合いながらグラスに到達します。この瞬間、シードルがちょうどよく酸化し、その香りと味わいが一段と引き立つのです。この特製のコルクはまるで小さな助っ人。シードルが適切な角度と速度で注がれるように設計されています。これにより、シードルがグラスに注がれる際にちょうど良い酸化が起こり、香り豊かな味わいを引き立てるんです。ただし、忘れてはいけないのは、この特製コルクやエスカンシアールがただ単にシードルを注ぐための道具ではなく、シードル体験の一部として重要であるということです。バスク地方のシードルは、人々が集まり、笑い声と共に楽しむもの。それを一層楽しむために、エスカンシアールや特製のコルクが存在するんです。 ビールでもワインでもなくシードルという選択 イサステギのシードルを選ぶ理由は、美味しさと健康への恩恵の両方が手に入ります。これらの効果は、適量を飲むことで享受することができます。つまり、イサステギを選ぶことは、美味しさと健康の両方を同時に満たす選択と言えます。これは、バスク地方の食文化と歴史による知恵と自然が私たちに与えてくれる恵みを最大限に活用した結果と言えます。飲むこと自体が楽しみであると同時に、健康にも良いという、まさに理想的な飲み物です。 イサステギ・酸化防止剤無添加ナチュラル・シードル イサステギ・酸化防止剤無添加ナチュラル・シードル(微発泡性、6.0%)は、20種類ものリンゴの天然果汁だけでつくられた、素 www.isastegi-japan.com イサステギ・シードル(スペイン) lit.link(リットリンク) オンラインストア-リンク集、スペイン・バスク地方のイサステギは醸造所から半径15㎞以内の伝統的な品種だけを使い、伝統的な農 lit.link シードルについての他の記事 マロラクティック発酵は行わない。伝統的なのに斬新なシードル 2023年8月3日 コメントはまだありません スペイン・バスク地方の名高いイサステギは独特の製法と風味を誇っています。多くの世代に受け継がれてきた製法の中でも、マロラクティック発酵を避けることで、イサステギは他に類を見ない鮮烈な酸味と豊かな風味が生まれます。この地域の自然の恵みと、長きに渡る伝統が融合し、一杯のシードルに深い物語と情熱が込められています。 Read More » 抗酸化力!リンゴポリフェノールでフレンチパラドックスを超えよう 2023年7月26日 コメントはまだありません 「フレンチ・パラドックス」の一因とされているワインのポリフェノールの秘密をご存知ですか?この健康への驚くべき効果はワインだけに限られません。シードルにも、りんご由来のポリフェノールが豊富に含まれています。この記事では、シードルとリンゴポリフェノールの魅力に焦点を当てます。美味しさと健康の両方を追求したい方は必読! Read More » バスク地方スペインからフランスへ、シャネルの転機の地ビアリッツ 2022年7月25日 コメントはまだありません 19世紀からヨーロッパの上流階級、芸術家に愛されてきたフランス・バスクのビアリッツは、シャネルが初めてクチュールの店をオープンした土地というエピソードを持ち、サーフィンの街としても有名です。同じバスク地方でありながら、国境をまたぐスペイン・バスク地方の美食とアート、そして牧歌的側面とはまた違ったおもむきがあります。 Read More » シードルにテロワールの概念をーソムリエからシードルの造り手へ 2022年7月6日 コメントはまだありません テロワールはワインの洗練度と微妙な差異に関わる概念です。フランスのノルマンディー地方でシードルを造るエリック・ボルドレはパリの一流レストランでソムリエをしていた経歴をもちます。シードルにテロワールという概念を取り入れ、フランスのガストロノミー(美食)の世界で注目されるフランスで最も有名なシードルの造り手のひとりです。 Read More » 世界でも稀有な北緯57度線にあるワイナリーのシードル 2022年6月29日 コメントはまだありません ヨーロッパの寒い地域ではブドウよりリンゴの栽培が盛んで、シードルがよく飲まれています。北緯57度線と聞けば、誰もブドウワインが作られるワイナリーがあると思わないでしょう。しかし、ラトビアの醸造家マルティンス・バルカンス氏が果敢に挑戦し続けています。アバヴァス・シードルはそんな世界最北のワイナリーで誕生したシードルです。 Read More » バルト海の真珠ラトビア、シードルの国際的コンテストで認められる国 2022年6月22日 コメントはまだありません バルト三国の中央に位置し、バルト海のパリと評される美しい首都を持つラトビア共和国。日本ではあまり馴染みのない国ですが、1年を通して冷涼な気候が独特の風味と香りを持つシードル用のリンゴを生産する国です。過去10年の間に、バルト海産シードルの共通の特徴が形成され、ラトビアは世界の中でも新しいシードルの国のひとつです。 Read More » Previous Post 抗酸化力!リンゴポリフェノールでフレンチパラドックスを超えよう
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