スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その2 2022年6月9日 by travesia with no comment イサステギ (スペイン・バスク地方)シードルと料理のペアリング 食芸術、食科学に関する大学学位が取得できるバスク料理センター Basque Culinary Center 先のブログで(スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その1)ご紹介したようにバスク地方には多くの美食倶楽部が存在し、いかにスペイン・バスク地方の人々が食への関心が高く、情熱があるかがうかがえますが、なんと美食倶楽部だけではなく、美食の学校もあるのです。その名もバスク・クリナリー・センター Basque Culinary Centerです。バスク・クリナリー・センター は、2011年からスペイン・バスク地方のドノスティア-サン・セバスティアンに設立された、美食と栄養学の高等教育、研究、革新、普及を主な目的とした世界でも先駆的な学術機関です。美食の発展と普及を目的とした、トレーニング、料理技術の革新、研究、起業家精神を総合的に学び、食芸術、食科学に関する大学学位が取得できる学術機関でもあります。バスク料理センターの理事会は、シェフ、企業で構成され、この団体の運営主体となっており、世界で最も優れたシェフたちが、バスク料理センターの国際評議会を構成しています。 実は日本人シェフもスペインのバスク・クリナリー・センター(BCC)で講演 BCCの講師陣には現在専属の講師は20名。世界各国からスカウトし、特別授業には世界の有名シェフが多数招かれ、ライブ授業などが実施されています。日本人シェフ成澤由浩氏、栗栖基氏と高橋拓児氏も過去に講演をしています。このようにバスク・クリナリー・センターではスペイン料理または西洋料理の研究だけではなく幅広く世界の料理が研究されているのです。また、バスク・クリナリー・センターのイノベーションエリア内にある美食の研究開発ラボでは発酵食品も研究されており、日本の発酵食品に欠かせない麹菌もその対象となっています。 バスク地方の家庭料理とシードルのペアリング 美食の地のバスク地方の家庭料理はもちろん美味。シードルとの相性が良いバスク地方の家庭料理の一部をご紹介します。メルルーサのバスク風バスクではメルルーサ(たら)を使うことが多くバスクを代表する料理です。白身魚は主に生だらを使いますが、白身魚であればどんなものでも美味しくできます。ソースは弱火でゆっくりと乳化させるのがおいしさの秘訣。たっぷりのイタリアンパセリが爽やかな風味と美しい色をソースに添えます。塩味はあさりの塩加減で調節してください。レシピはこちらをご参照ください。あさりの出汁と爽やかな酸味のシードルが口の中で調和し、肉厚なメルルーサの美味しさを引き立てます。とうもろこしの粉で作るタロメキシコのタコスに似たとうもろこしの薄焼きパンでおばあちゃんたちの時代までバスク地方でよく食べられていた伝統料理です。小麦が作られるようになってからは作る家庭も減ったようです。タロのレシピ【材料】タロ(約8枚分)コーンミール、薄力粉…各100グラムぬるま湯…、100ミリリットル塩…小さじ1オリーヴ油…適量打ち込(コーンミール)…適量【作り方】1、ボールにコーンミールと薄力粉、塩を入れて混ぜ合わせる。ぬるま湯を少しずつ加えながらなめらかになるまで手で練り、生地をひとつにまとめる。2、1を8等分し、それぞれを丸める。台に打ち粉をふり、1つずつ指で押して丸く薄く伸ばす。3、フライパンにオリーブ油を熱し、キッチンペーパーで余分な油を拭き取りフライパンを鳴らす2を入れて両面をこんがり焼く。お好みの具材(チョリソーや豚、牛肉を焼いたものなど)を挟んで食べます。酸味の強いスペイン・バスク地方のシードルと相性が良いです。さっぱりとしたシードルと合わせると美味しくてついつい食べ過ぎてしまうのでご注意ください。 400年の伝統的製法で今も作り続けられているバスク地方のシードル、イサステギ 美食の地スペイン・バスク地方のお酒であるシードル。そのブランドのイサステギは醸造所から半径15㎞以内の伝統的な品種だけを使い、400年前から続く農法と製法で、純粋にリンゴを発酵させたシードルをつくります。無濾過で非加熱の為、750ml1本当たりのイサステギ・シードルには、生きた有用菌も食物繊維、リンゴ1.1㎏分のポリフェノールなどの栄養素が含まれます。 甘いりんごよりも、渋いりんごに多く含まれるリンゴのポリフェノールは、発酵によって増加します。(*リンゴポリフェノールの抗酸化物質は葡萄に含まれる抗酸化物質のレスベラトロールの3倍と言われています。)リンゴ由来の爽やかな酸味が食事を引き立て、なおかつリンゴポリフェノールやクエン酸、ビタミン・ミネラルを多く含む健康にも良いシードルです。「バスクのナチュラルシードル(D.O. Euskal Sagardoa)」には厳しい基準があり、この基準を満たしていないと「バスクのナチュラルシードル(D.O.Euskal Sagardoa)」とは呼ぶことができません。バスクのナチュラルシードルと呼ばれるための基準について詳しくはこちら。 イサステギ・酸化防止剤無添加 ナチュラル・シードルイサステギ・酸化防止剤無添加ナチュラル・シードルは、バスク産のシードルであり、20種類ものリンゴの天然果汁だけでつくられた、素朴なリンゴのお酒です。原料はリンゴのみ。甘くなく、食事に合い、ペクチンやリンゴ・ポリフェノールなど、抗酸化作用があるリンゴ健康成分もそのままです。 スペイン・バスク地方イサステギシードルについて詳しくはこちら関連記事:スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その1 スペイン・バスク地方で、酸っぱいシードルに出会う – 様々な味わいの酸味を発見 バスク地方スペインからフランスへ、シャネルの転機の地ビアリッツ Previous Post スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その1 Next Post クラフトシードル – 発酵の世界と、醸造家こだわりの製法