バスク地方のシードルの原料 – バスク地方の醸造用リンゴは渋くて食べられないって本当? 2022年3月25日 by travesia with no comment イサステギ (スペイン・バスク地方) スペイン・バスク地方でシードルの原料になるリンゴはどういうものか、気になりませんか? ほとんどの品種がすごく渋かったり、酸味が強すぎたり・・・、これを喜んで食べる人はいないでしょう。しかしこの渋さはタンニン。ワインと同じく、しっかりとしたボディを持ち、食事の脂をスッキリと流すシードルが生まれる秘密でもあります。 シードルはたくさんのリンゴ品種をブレンドするお酒 シードルは、アルコール度数が3~7%とビールに近いため、様々な料理と相性が良く、非常に飲みやすい飲料であることが特徴です。味わい深く個性的なシードルをつくるために、甘み、ほろ苦さ、苦み、酸味という4つのカテゴリーの果汁を生み出すリンゴを、少なくとも5種類組み合わせています。20種類近いブレンドも珍しくありません。リンゴ果実の苦さはボディ、甘さはボリューム、酸味はバランスというように、様々なリンゴ種のブレンドはシードルの味に奥深さと広がりを実現します。ここではスペイン・バスク地方のイサステギ・シードルにブレンドされているリンゴの一部をご紹介します。 リンゴの種類・説明 スペイン・バスク地方のイサステギ・シードルにブレンドされているりんごの代表の3種類をご紹介します! ヘサミーニャ(Gezamiña) 色は赤系で、香りの少ない、ビター系のリンゴです。とても渋く、これを喜んで食べる人はいないでしょう。しかしこの渋さはタンニンで、ワインと同じく、しっかりとしたボディを持ち、食事の脂をスッキリと流すシードルが生まれる秘密でもあります。生産量が多く、バスク地方の主要な品種のひとつとなっています。 ウルテビ・チキア(Urtebi Txikia) 淡い色のビタースイート系の品種です。少し平べったい形をしています。Txikia = Small という名前の通り、小粒なのが特徴です。酸味は強いものの、それほど苦くはありません。バスクシードルの爽やかな酸味を表現するのに使われます。 エレジル(Errezil) バスク地方で最も生産量が多いシャープ系の品種です。少し緑がかった茶色をしています。とても酸味が強いのですが、充分な果糖を含んでおり、ジャムやスイーツにも使われます。発酵させると柔らかな風味になるので、シードルづくりには欠かせません。エレジルは果実をつけるようになるまで10年以上かかると言われています。シーズン後半の11月になってから収穫される晩成種でもあります。 バスク地方のリンゴだけでつくったシードル協会のPRビデオ スペイン・バスク地方イサステギシードルについて詳しくはこちら関連記事:スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その1 スペイン・バスク地方、美食の地をめぐるあれこれとシードル・その2スペイン・バスク地方で、酸っぱいシードルに出会う – 様々な味わいの酸味を発見 Previous Post バスクシードル「イサステギ」: スペイン・バスク地方のシードル原産地呼称を知っていますか? Next Post イギリス・オーガニック・シードルの最高峰 – 1本のりんごの⽊から始まる物語